タイトル | : フレンチメニュー用語解説 連載(40) |
投稿日 | : 2004/12/15(Wed) 20:33 |
投稿者 | : フラ語メニュー講座 編集担当 |
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「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説」 Vol.40
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< 本日のメニュー >
Noix de Saint-Jacques pane'es aux herbes a` la Provenc,ale
帆立貝に香草をまぶして初秋の野菜とパスタを風味豊かに
先日よりちょっと面白いメニューが手に入りましたので、しばらくご紹介さ
せて頂こうと思っています。
上記のメニューは、以前、リゾートホテルの雄、ハウステンボスホテルズの
「ホテルヨーロッパ」で行われた食文化の発信イベント「第6回 華麗なる食
の饗宴」のメニューです。
このイベントは、ハウステンボスホテルズの総料理長、上柿元勝氏と、国内
外の著名な料理人を招いて、一つのメニューを作り上げると言うものです。
残念ながら、僕自身はこのメニューを食べるどころか、見ることも出来なか
ったのですが、幸いにもメニューが手に入りましたので、ご紹介させて頂くこ
とにしました。
因みに、今回上柿元氏と共演なさったのは「フレンチの鉄人」こと坂井宏行
シェフでした。
そして、上記のメニューは坂井シェフの手によるものです。
ホテルヨーロッパ
住所: 長崎県佐世保市ハウステンボス町7-7
※ このメールマガジンは個人的に作成しているもので、上記ホテルと
メールマガジン作成者の Holly は直接関係を持ちません。従いまし
て、問合せ等は、直接お電話にてお願いいたします。
< メニューの用語解説 >
Noix (ノワ)
日本語: 胡桃(くるみ)
英 語: walnut
解 説: ナッツと分類される胡桃は、クルミ科クルミ属の植物です。
ところでナッツとは、果物に分類されるそうです。
北半球を中心に世界中で親しまれていて、中でもペルシアグル
ミという品種が普及しています。
胡桃を覆う堅くて厚い皮は貯蔵性を高めており、冷たく乾燥し
た場所では、1年以上経っても変質しないそうです。また、胡桃
の木材は高級家具の材料としても知られています。
さて、このNoixの言葉は、他にも色々な意味を持っています。
中心という意味もあって Noix de Saint Jacques のように表現
したりもします。胡桃大の塊を指すこともありますし、仔牛の内
股の肉も意味しています。
Saint (サン)
日本語: 聖
英 語: saint
解 説: 聖なる、という意味や、聖人の名前の前につける言葉です。
さすがヨーロッパ、キリスト教の影響を強く受けていて、聖人
の名前が食材の名前としても使われています。また、同じような
理由から、地名にも良く見られる言葉です。
Saint のつく食材
◇ Saint-Germain エンドウ豆(を用いた料理)
◇ Saint-Jacques 帆立貝
◇ Saint-pierre マトウ鯛
Jacques (ジャック)
日本語: ジャック、ヤコブ(人名)
英 語:
解 説: Saint-Jacques で聖ヤコブのことです。聖ヤコブはキリスト教
の12使徒の一人です。
また、coupe Jacques で「カップ盛りアイスクリーム ジャッ
ク風」というデザートになります。これは、カップに盛った様々
なシャーベットに、キルッシュかマラスキーノに漬けた果物を加
えたものです。
pane'es (パネ)
日本語: パン粉をつけた
英 語: cover with bread crumbs
解 説: フライにしたり、ソテーやグリエにする前にパン粉をまぶす料
理法です。大きく次の二つの方法があります。
イギリス風 − オイル、水、塩、胡椒入りの溶き卵に浸けてか
らパン粉をつける。
ミラノ風 − すりおろしたチーズを混ぜたパン粉をつける。
この他、バターを塗ってからパン粉をまぶす方法もあります。
herbes (エルブ)
日本語: 香草、ハーブ
英 語: herb
解 説: 香草です。フレンチやイタリアンに限らず、料理の風味付けに
欠かせないのがハーブです。
今は、ハーブティーをはじめとして「ハーブ」という言葉が一
般的になっていますが、フレンチの世界ではそれ以前から料理に
使っていたため、「香草」という言葉を使ってきました。その為
か、今でもメニューには「香草」という言葉を見ることがほとん
どです。
Provenc,ale (プロヴァンサル)
日本語: プロヴァンスの
英 語:
解 説: フランスの南東部、プロヴァンス地方の者を表す言葉です。
プロヴァンス地方は、フランスの中でも太陽の恵みを感じさせ
る地方です。
< 熟語も解説 >
Noix de Saint-Jacques (ノワ ド サンジャック)
日本語: 帆立貝の貝柱
英 語:
解 説: 直訳すると「帆立貝の真中」ですが、イメージし易い言葉のと
おり貝柱の部分を指す言葉です。
a` la Provenc,ale (ア ラ プロヴァンサル)
日本語: プロヴァンス風
英 語: Provence style
解 説: a` la は、付け合せや風味付けなど、料理のスタイルを表す言
葉と言えますので、a` la Provenc,ale で プロヴァンス風 とな
ります。
この場合のお約束は、トマト、大蒜、オリーブ油を使うことで
す。また、ハーブ類が加わることが多いようです。
これは、フランスでも南部の地中海に面したプロヴァンス地方
は、太陽の恵みの多い地方、つまりオリーブやハーブの特産地に
当たることからイメージされたものです。