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タイトルフレンチメニュー用語解説 連載を再開します。
記事No2415
投稿日: 2004/01/11(Sun) 13:53
投稿者Chun3(管理人)   <chun_chun_chun@yahoo.co.jp>
すっかり再開がおそくなりましたが、リクエストがきたので、再開します。

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> フレンチメニュー、ホテル職についてのすばらしいHP
> ホテリエ 
> http://www.hotelier-holly.com/
の過去配信から、当該管理者許諾をえて、再掲いたします。
なおこのモトURLは 移転・改装のため、過去ログ掲載はなくなりましたが
原稿はホテリエ管理者様から 100番まで頂戴いたしましたので ふらつーにて掲載を続けます。

ホテリエ・ライブラリは 2003/1月で移転
http://www.library-h.com/
くだんのメルマガは掲載されておりませんが、語句の辞書は 引っ越していますので、みることができます。
(上記URLから 上のほうの French dictionary を クリック。)

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(1)〜(10)は 旧掲示板 11054からのスレッド
http://bbs5.otd.co.jp/503678/bbs_thread?range=-80&base=11680


(11)〜(20)は 旧一般掲示板 記事 11879からのスレッド
http://bbs5.otd.co.jp/503678/bbs_thread?range=-80&base=12080


(21)〜(27) は 旧一般掲示板 記事 12725からのスレッド
http://bbs5.otd.co.jp/503678/bbs_thread?range=-80&base=12800

100話まであるので、また ぽちぽち載せていきます。。。がんばりましょう。。。(お互い)

タイトルフレンチメニュー用語解説 連載(28)
記事No2416
投稿日: 2004/01/11(Sun) 13:58
投稿者Chun3(管理人)   <chun_chun_chun@yahoo.co.jp>
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> > フレンチメニュー、ホテル職についてのすばらしいHP
> > ホテリエ 
> > http://www.hotelier-holly.com/
> の過去配信から、当該管理者許諾をえて、再掲いたします。
> なおこのモトURLは 移転・改装のため、過去ログ掲載はなくなりました
>
> ホテリエ・ライブラリは 2003/1月で移転
> http://www.library-h.com/

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「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説」 Vol.28
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< 本日のメニュー >


La Nage de Sole et Langoustines
aux Creuses de Bretagne, Beurre blanc
ブルターニュ地方クルーズ産の舌平目と赤座海老のナージュ
ブールブランソース



◇◇ ここがポイント? ◇◇

実は Cruses がちょっと不明です。Cruse では出ているのですが、文意
から考えると適切で無いように思えます。Cruses de Bretagne を Sole
et Langoustines を説明している言葉として捉え、上記のように考えてみ
ました。



このメニューは、数年前にパリに出かけた時に手に入れたガイドブッ
ク「Les Grandes Tables du Monde」 から抜粋しています。当然、フラ
ンス語でしか書かれていませんので、日本語はホテリエ管理者が入れたものです。


Michel Chabran
住所: Route N.7-Avenue du 45e Parale`le 26600 pont-de-l' ise`le

このメールマガジンは個人的に作成しているもので、上記レストラン
とメールマガジン作成者は直接関係を持ちません。問合せ等は、直接お願いいたします。



< メニューの用語解説 >


Nage (ナージュ)
日本語: 水泳
英 語: swimming
解 説: 直訳すると「水泳」なんですが、立派な料理をあらわす言葉で
す。簡単に言うと、香味野菜を入れた野菜の煮汁の中で魚介類を
煮る調理法で、煮汁とともに提供されることが多いので、たっぷ
りの水分の中で魚が泳いでいるように見立てて、この名前となっ
ています。
ほとんどの場合、a` la Nage と表記されています。
野菜の煮汁、はクール・ブイヨンが使われることが多いようで
す。クールブイヨンは、白ワイン、ミニョネット、ローリエ、に
んじん、たまねぎ、セロリ、タイムなどから作られます。中でも
白ワインとミニョネットは必要不可欠だといわれています。

Sole (ソール)
日本語: 舌平目
英 語: sole
解 説: 舌平目は、ほとんどがフレンチなどで使われる素材で、日本で
はあまり高級魚としては扱われていないようです。ヨーロッパで
は「魚の女王」としてよく使われています。
この為か、日本名は変な名前が多いです。「牛の舌」「くつぞ
こ」といった具合です。まあ、soleも「靴底」の意味ですが。
カレイ目ウシノシタ科の魚で、日本では北海道の南部から南の
水深100mくらいの浅海の砂泥底に棲息しています。ヨーロッパで
は体長が60cmにもなるドーバー産の舌平目が有名です。日本のも
のはドーバー産のものに比べると、味の点でも数段及ばないと言
われます。
また、舌平目のアラは、fumet de poisson (魚の出汁) を取る
のにも欠かせない材料です。

Langoustines (ラングスティーヌ)
日本語: 赤座海老
英 語: norway lobster, bay prawn
伊 語: scampi
解 説: Vol.0002にて紹介済みです。

Creuse (クルーズ)
日本語: クルーズ川
英 語:
解 説: フランス中部を流れ、ロワール河の支流ヴィエンヌ川に合流し
ている川。

Bretagne (ブルターニュ)
日本語: ブルターニュ地方
英 語:
解 説: フランスの北西にある半島がブルターニュ地方です。海の幸が
有名で、オマール海老や舌平目を使うときに、しばしばブルター
ニュ産であることが強調されます。

beurre (ブール)
日本語: バター
英 語: butter
解 説: Vol.0003にて紹介済みです。

blanc (ブラン)
日本語: 白
英 語: white
解 説: Vol.0003にて紹介済みです。

タイトルRe: フレンチメニュー用語解説 連載(28)
記事No6330
投稿日: 2004/12/13(Mon) 22:09
投稿者ainhoa   <ayas0001@mac.com>
> 実は Cruses がちょっと不明です。Cruse では出ているのですが、文意
> から考えると適切で無いように思えます。Cruses de Bretagne を Sole
> et Langoustines を説明している言葉として捉え、上記のように考えてみ
> ました。

Creuseというのは牡蠣の種類のことではないでしょうか?Huitres Creusesとも
呼ぶ牡蠣のことだと思います。
ですから、aux Creuses de Bretagneで「ブルターニュ産クルーズ牡蠣添え」と
なるのでは?と、思いついたのですが、どうでしょう?

タイトルフレンチメニュー用語解説 連載(29)
記事No2547
投稿日: 2004/01/17(Sat) 17:52
投稿者Chun3(管理人)   <chun_chun_chun@yahoo.co.jp>
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> > フレンチメニュー、ホテル職についてのすばらしいHP
> > ホテリエ 
> > http://www.hotelier-holly.com/
> の過去配信から、当該管理者許諾をえて、再掲いたします。
> なおこのモトURLは 移転・改装のため、過去ログ掲載はなくなりました
>
> ホテリエ・ライブラリは 2003/1月で移転
> http://www.library-h.com/

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「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説」 Vol.29
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< 本日のメニュー >


Ris de Veau grille' "Cardamome et Cafe' ",
Semoule de Ble' dur pimente'e
リ ド ヴォーのグリエ "カルダモンとエスプレッソ風味"
唐辛子を入れた小麦の挽き割り粉添え



◇◇ ここがポイント? ◇◇

"Cardamome et Cafe' "を、""で括られていることから、風味付けを意
味しているものと解釈しました。
Semoule de Ble' dur pimente'e は、クスクスのようなものをイメー
ジしています。因みに、クスクスもセモリナ粉から作られています。




このメニューは、数年前にパリに出かけた時に手に入れたガイドブッ
ク「Les Grandes Tables du Monde」 から抜粋しています。当然、フラ
ンス語でしか書かれていませんので、日本語はホテリエ管理人が入れたものです。


Pierre Gagnaire
住所: 7, Rue de la Richelandie`re - 42 100 Saint-E'tienne
備考: その当時の情報です。

このメールマガジンは個人的に作成しているもので、上記レストラン
とメールマガジン作成者の Holly は直接関係を持ちません。従いま
して、問合せ等は、直接お願いいたします。

< メニューの用語解説 >


Ris (リ)
日本語: 胸腺
英 語: sweetbread
解 説: 胸腺は喉元にあるミルクを飲む為の筋肉で、成長と共に無くな
ってしまいます。仔牛か仔羊にしかない器官ですが、仔牛のほう
が珍重されます。
一説には、成長ホルモンを作る器官とも言われていますが、ど
ちらが正解なのかは確認していません。 m(__)m
胸腺は、副生物 abats と呼ばれる内蔵などを含む精肉以外の
食べられる部分に分類されます。肉食の歴史の浅い日本では、余
り消費量が多くない部分ですが、ヨーロッパや中国などでは、家
庭にまで入り込んでいる日常的な食材となっています。

Veau (ヴォー)
日本語: 仔牛
英 語: veal
解 説: Vol.0023にて解説しました。

grille'es (グリエ)
日本語: 網焼き
英 語: grilled
解 説: Vol.004にて解説しました。

Cardamome (カルダモン)
日本語: カルダモン
英 語: Cardamom
解 説: カルダモンはショウガ科の多年草です。卵形の果実の中にある
種子の熟度によって香味が変わるといわれています。
刺激のある甘くて強い香りを持っていて、味は辛く、ややほろ
苦いようです。この風味を活かして、カレーやソース、肉料理な
どに使われます。
カルダモンは、いわゆる「シードスパイス」に分類されます。
シード、つまり種子をスパイスとして用いるグループのことです。

cafe' (カフェ)
日本語: エスプレッソコーヒー
英 語: espresso, cafe express
解 説: ヨーロッパでは、コーヒーは「エスプレッソ」を意味します。
Vol.0011にて解説しました。

Semoule (スムール)
日本語: 挽き割り小麦
英 語: semolina
伊 語: semolino
解 説: スムールはデューラム小麦という硬質小麦を粗挽きした物で、
これから乾燥パスタが作られます。イタリアンの台頭で、「セモ
リナ粉」といった方が馴染みがあるかもしれません。グルテンが
多く含まれる為、腰の強いパスタが出来上がります。
また、挽き割り粉も意味します。小麦や米、とうもろこし、そ
ば、などを一度水に湿らせてから挽き、乾燥させた加工品で、朝
食用のフレークやプディングに用いられるそうです。

Ble' (ブレ)
日本語: 小麦
英 語: wheat
解 説: 小麦だけでなく、穀類も意味します。

pimente'e (ピマンテ)
日本語: 唐辛子を入れた
英 語:
解 説: 唐辛子を入れた、という意味です。

piment (ピマン)
日本語: 唐辛子
英 語: red pepper
解 説: 唐辛子とピーマンは同じナス科の植物です。唐辛子のうち、甘
味種で釣鐘型の品種をピーマンと呼んでいます。因みに、フラン
ス語でピーマンは poivron と言い、日本語の呼び方とズレてい
るので注意が必要です。
唐辛子には、辛味のある香辛料用の品種と、辛味のない甘味種
と呼ばれる青果用品種があります。


< 熟語も解説 >

ris de veau (リ ド ヴォー)
日本語: リ ド ヴォー
英 語: calf's sweetbread
解 説: 仔羊にもある ris 胸腺ですが、仔牛のものが珍重されます。
その味わいは淡白で、非常に柔らかな食感を持ちます。
フランス料理の中でも、高級素材として知られます。単に希少
価値だけでなく、家畜の副生物の中で最も美味しいとされます。
実際に食べてみると、肉とは思えない柔らかな食感で、面白いと
感じました。

タイトルフレンチメニュー用語解説 連載(30)
記事No2548
投稿日: 2004/01/18(Sun) 13:31
投稿者Chun3(管理人)   <chun_chun_chun@yahoo.co.jp>
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> > http://www.hotelier-holly.com/
> の過去配信から、当該管理者許諾をえて、再掲いたします。
> なおこのモトURLは 移転・改装のため、過去ログ掲載はなくなりました
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> ホテリエ・ライブラリは 2003/1月で移転
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「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説」 Vol.30
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< 本日のメニュー >


Souffle' glace' a` l' orange
オレンジ風味のスフレグラッセ


◇◇ ここがポイント? ◇◇

今回のメニューは、シンプルでわかりやすいですね。



このメニューは、数年前にパリに出かけた時に手に入れたガイドブッ
ク「Les Grandes Tables du Monde」 から抜粋しています。当然、フラ
ンス語でしか書かれていませんので、日本語は僕が入れたものです。


Pic
住所: 285, Avenue Victor-Hugo
備考: その当時の情報です。

このメールマガジンは個人的に作成しているもので、上記レストラン
とメールマガジン作成者の Holly は直接関係を持ちません。従いま
して、問合せ等は、直接お願いいたします。


< メニューの用語解説 >


Souffle' (スフレ)
日本語: スフレ
英 語: souffle
解 説: 「膨らませる」という意味を持つこの料理は、シェフにとっ
ても、ギャルソンにとっても、時間との勝負になる料理です。
ムースのような滑らかな混ぜ物に、泡立てた卵白を加えて焼
くことで、閉じ込められた空気が膨張して、文字通り「膨らん
だ」料理となるわけです。しかし、時間が経てば、空気は萎ん
でしまい、この料理の価値が損なわれてしまいます。その間、
5分、とも言われ、本当に時間との勝負となります。
こういった扱いづらさがあるせいか、レストランで「スフレ」
をメニューとして見かけることはなかなか難しいようです。

glace' (グラッセ)
日本語: 凍らせた
英 語: glazed
解 説: glace の形容詞がこのglace'です。
凍らせた、冷えた、と言った意味のほかにも、濃縮した、と
いった意味も持っています。

orange (オランジュ)
日本語: オレンジ
英 語: orange
解 説: オレンジは、色を表す言葉でもありますが、もちろんオレン
ジそのものを表す言葉です。
柑橘類の代表であるオレンジは、バレンシアオレンジとネー
ブルオレンジが代表的な品種です。
バレンシアオレンジは、スペインのバレンシア地方が原産地
と言われています。アメリカや南アフリカが主な産地で、ほぼ
1年市場に出回っています。
ネーブルオレンジは、「へそ」のあるオレンジ、と言う意味
で、11月〜4月にかけて市場に出回ります。調度、バレンシア
オレンジが少なくなってきている頃です。糖度はネーブルオレ
ンジのほうが少ないように思われます。
搾りたてのフレッシュオレンジジュースは、バレンシアオレ
ンジを使うことが多いのですが、入荷状況が思わしくなく、ネ
ーブルオレンジを使う場合には、シロップなどで加糖している
ホテル・レストランやバーもあります。
ちょっと変り種は、ブラッドオレンジです。文字通り果肉が
赤い品種で、地中海沿岸が原産です。



< 熟語も解説 >


Souffle' glace' (スフレ グラッセ)
日本語: スフレ グラッセ
英 語:
解 説: スフレグラッセは、非常に舌ざわりの良い軽い食感のアイス
クリームの事です。
フレンチの基本的なことを勉強するのにぴったりの本で、見
田盛夫氏の「メニューの読み方」にもレストラン Picのスフレ
グラッセが如何に滑らかな食感を持つものか解説してあります。
このスフレグラッセのエピソード、僕のサービス感に影響を与
えたものの一つでもあります・・・




< 皆さんからのメール >


今回は質問のメールを頂きました。


> いつも楽しく拝見させて頂いております。
>
> ところで質問です。
>
> CAFEはヨーロッパではエスプレッソを指すそうですが、
> 普通のコーヒーはどういう表現になるのでしょうか?
>
> そして、ワインのメニューはCARTE DU VIN(でしたっけ?)
> だと思うのですが、カクテルのメニューはCARTE DU COCKTAILでいいの
> でしょうか?
>
> どうか御教授下さいませ。


イタリアでエスプレッソが作られてから、その美味しさにヨーロッパ
の人は虜になり、あっという間に広まったと言われています。
さて、ご質問の普通のコーヒーの表現ですが、
フランス語では、cafe' filtre
イタリア語では、caffe` lungo, caffe` all' americana
が該当しそうです。

イタリアでは、実際にBar で試したことがあるので、これで通じるよ
うです。が、フランスでは試したことがないので、これでいいのかどう
か・・・ちょっと自信がありません。因みに、仏和辞典からの引用です。

朝食ではドリップ式のコーヒーが出ていたので、何かしら呼び方があ
るのでしょう。もう少し時間を頂いて、調べてみたいと思います。

ワインリストについては、フレンチの中でしっかり地位のあるジャン
ルですから、おっしゃる通り carte de vin で正解です。
しかし、カクテルについては、boisson で一括りになっているような
気がします。まあ、僕がレストランサイドでしか物を見ることが出来て
いないせいかもしれませんが・・・
ということで、carte de boisson になるのではないでしょうか?
レストランでカクテルのリストを見たいときの話ですが・・・

タイトルフレンチメニュー用語解説 連載(31)
記事No2678
投稿日: 2004/01/26(Mon) 23:31
投稿者Chun3(管理人)   <chun_chun_chun@yahoo.co.jp>
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> > フレンチメニュー、ホテル職についてのすばらしいHP
> > ホテリエ 
> > http://www.hotelier-holly.com/
> の過去配信から、当該管理者許諾をえて、再掲いたします。
> なおこのモトURLは 移転・改装のため、過去ログ掲載はなくなりました
>
> ホテリエ・ライブラリは 2003/1月で移転
> http://www.library-h.com/

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「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説 Vol.31
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< パンについて >


Pain (パン)
日本語: パン
英 語: bread
解 説: 小麦粉、水、塩、イーストを基本材料とした生地を焼き上げた
ものがお馴染みのパンです。使われる粉は小麦粉に限らず、小麦
をはじめとする穀類の粉が使われます。また、乳製品、油脂、砂
糖等の副材料も使われます。


Pain traditionnel (パン トラディッショネル)
フランスの伝統的な棒型のパンのことで、パリっと、香ばしく焼き上げた
クラスト(皮)を食べる為のパンと言えます。非常に種類が多いので、覚える
のがちょっと大変かもしれません。

Deux livres (ドゥーリーブル)
「1kg」 の意味で(livreは1/2kgの意味です)、長さは55cm程、クープ
は3本で、かなり大きなパンです。

Ba^tard (バタール)
「中間」の意味で、長さは40cm程、クープは3本です。

Parisien (パリジャン)
「パリっ子」の意味で、長さは75cm程、クープは5〜6本、クラムが
柔らかく、豊富なのが特徴です。

Baguette (バゲット)
「杖、棒」の意味で、長さは75cm程、クープは7本、フランスの家庭
で最もポピュラーなパンで、レストランでも良くお目にかかります。

Ficelle (フィセル)
「紐」の意味で、長さは40cm程、クープは4〜5本です。

Coupe' (クープ)
「切られた」という意味で、長さ10cm程、クープは1本で、「コッペ
パン」の名前の元だと思われます。

いわゆる「フランスパン」は、フランスパン専用の小麦粉を使い、水と塩
とイーストで焼き、生地の配合はほとんど同じです。しかし、大きさ、形が
違うと、火の通りかたがかわってきて、クラスト(皮)がぱりぱりになるのか、
クラム(中身)がモチモチなのかしっとりなのか(水分の含有量が変わる)が変
わってくるので、結果として味が違うのです。
因みにクープ(切れ目)も味わいに変化を与えます。クープを入れることで
焼いたときに生地が盛り上がり、クラムの詰まり具合が変わってきます。

また、更に「パイパリのクラスト」を食べるのを好む人の為のパンがあり
ます。

Epi (エピ)
「麦の穂」の意味で、棒状の生地に鋏で両側から交互に切れ目を入れ
て焼き上げます。形が麦の穂のようになるのが特徴ですが、鋏を入れ
ることで表面積が増え、結果としてクラストが多くなります。ベーコ
ンを中に加えているようのものもあります。

その他のバゲット生地のパンには以下のものがあります。

Fendu (ファンデュ)
「割れ目、双子」の意味で、生地の中央を棒で押し込み、割れ目をつ
けます。切らずに押し込むことで、目の詰まった弾力のある歯ごたえ
を持つクラムが出来上がります。

Tabatie`re (タバティエール)
「煙草入れ」の意味で、丸めた生地の一部分を薄く延ばして被せるこ
とで、独特の形に仕上がります。

Boule (ブール)
「ボール」の意味で、丸く作り、クープは浅く、格子状に入れます。
ソフトな中身がたっぷりで、クラムを食べるパンです。

Champignon (シャンピニョン)
「きのこ」の意味で、本当にきのこに見える形をしています。レスト
ランでお目にかかることも多く、上部、胴部、底部で食感が異なりま
す。

タイトルフレンチメニュー用語解説 連載(32)
記事No5423
投稿日: 2004/09/12(Sun) 03:33
投稿者Chun3(管理人)
熱いリクエストにより 復活! フランス語のメニュー、数ながめれば
なんとか 覚えられるようになってきます。
いっしょにがんばりましょう!

前に紹介しました、という部分を ふたたび引用してほしい、というリクエストがありましたので、
やってみます(どこまで もつかしらんが)



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> > フレンチメニュー、ホテル職についてのすばらしいHP
> > ホテリエ 
> > http://www.hotelier-holly.com/
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「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説 Vol.32
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< 本日のメニュー >


Pomme d' Amour et Salpicon de Homard
aux Piments doux
トマトと、賽の目に切ったオマール海老の和え物
ピーマンの器に入れて


◇◇ ここがポイント? ◇◇

今回のメニューも分かり易いですね。ただ、トマトとピーマンが余り
お目にかからない表現でかかれていることがポイントのようです。


このメニューは、前にパリに出かけた時に手に入れたガイドブッ
ク「Les Grandes Tables du Monde」 から抜粋しています。当然、フラ
ンス語でしか書かれていませんので、日本語は僕が入れたものです。


Georges Blanc
住所: 01540 Vonnas 備考: その当時の情報です。

このメールマガジンは個人的に作成しているもので、上記レストラン
とメールマガジン作成者の Holly は直接関係を持ちません。従いま
して、問合せ等は、直接お願いいたします。


< メニューの用語解説 >


Pomme (ポンム)
日本語: 林檎(りんご)
英 語: apple
解 説: Vol.0004にて紹介しました。↓

-------------------
Pommes (ポム)
日本語: 林檎(リンゴ)
英 語: apple
解 説: バラ科リンゴ属の植物で、ヨーロッパ東南部のコーカサス地方や、
東アジアに野生種が見られます。
栽培起源は4000年以上前のスイスに遡ると言われ、聖書の「アダ
ムとイブ」にも登場するなど、非常に古くから親しまれている果物
です。
主な生産地は、旧ソ連・中国・アメリカ・フランスなどで、国内
では青森・長野が有名です。
10月〜12月にかけての冬の果物です。
日本では、果物に甘味を求める傾向が強く、林檎も果汁に富み、
甘い蜜が入る「ふじ」が国内生産量の半分を占めています。調理用
としては、酸味が強いものが良い味が出せる為、生食用のふじでは
なく「紅玉」が人気があります。
この、生食用と調理用で適した品種があるのは、ワインも同じで
すね。
-------------------


Amour (アムール)
日本語: 愛
英 語: love
解 説: 愛、恋愛、といった意味です。

Salpicon (サルピコン)
日本語: 賽の目に切った和え物
英 語:
解 説: サルピコンは、スペイン語のSal(塩) とPicar(切る) が語源と
言われる言葉で、数種類の野菜や肉、果物などを賽の目に切り、
ソースなどで和えた状態を指して言います。

Homard (オマール)
日本語: オマール海老
英 語: lobster
解 説: Vol.0003にて紹介しました。↓

-------------------
homard (オマール)
日本語: オマール海老
英 語: lobster
解 説: オマール海老は、ホンエビ上目ザリガニ科の海老で、カナダ・ア
メリカ産のものとヨーロッパ産のものに分けられます。漁獲高はカ
ナダ産のものが多く、日本に輸入されているもののほとんどはカナ
ダ・アメリカ産のものになります。
品質的にはヨーロッパ産のものが優れているといわれています。
フランス人は、特にブルターニュ産のオマール海老を最上とします。
また、ヨーロッパ産のものは体色が濃青色で緑色を帯びた斑点があ
りますが、カナダ・アメリカなどの北米産のものは茶色っぽいよう
です。
なお、オマール海老は左右で大きさの違う鋏を持っていますが、
えさを食べる為によく運動しているこの鋏の部分が最も美味である
と言われています。オマール海老を食べるときは、鋏を忘れないよ
うにしましょう。

オマール海老は、海老類の中では最も大きくなるもので、普通は
20〜25cm位ですが、まれに50cmを超えるものもあります。
海老や蟹等の甲殻類の殻からは、良質の出汁が取れますが、オマ
ール海老もソース・アメリケーヌ(後日解説予定)などに多用されます。
-------------------------



Piments (ピマン)
日本語: 唐辛子
英 語: red pepper
解 説: Vol.0029にて紹介しました。
ピーマンと書いて唐辛子、の意味なので、注意が必要な単語の
一つです。

doux (ドゥース)
日本語: 甘い
英 語: sweet
解 説: Vol.0020にて紹介しました。↓

--------
doux (ドゥー)
日本語: 甘い
英 語: sweet, soft
解 説: 甘い。柔らかい。
--------




< 熟語も解説 >


Pomme d' Amour (ポンム ダムール)
日本語: トマト
英 語: tomato
解 説: トマトは、tomateの表現を良く見るのですが、Pomme d' amour
や Pomme d' Or といった表現があります。
Pomme は、ラテン語では広く「果物」の意味もあるので、「愛
の果物」や「黄金の食べ物」という表現でトマトを表しているこ
とになります。

Piments doux (ピマン ドゥース)
日本語: ピーマン
英 語: pimiento
解 説: ピーマンはPoivron の表現を良く見かけるのですが、「甘い唐
辛子」の表現でもピーマンを表しています。
ピーマンと唐辛子は、確かに近似種なのですが、「甘い唐辛子」
よりは「辛くない唐辛子」のほうがピンと来るのだけど・・・と
思ってしまいます。

タイトル フレンチメニュー用語解説 連載 (33)
記事No6088
投稿日: 2004/11/13(Sat) 01:49
投稿者Chun3(管理人)


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> > http://www.hotelier-holly.com/
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「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説 Vol.33
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< 本日のメニュー >


Un Risotto de Grenouilles friole'es aux Truffes
バターで軽く揚げた蛙のリゾット トリュフ風味


◇◇ ここがポイント? ◇◇
friole'es と言う言葉が、今はあまり使われていない言葉との事で、
その分ちょっと分かり難くはありました。
また、フレンチではリゾットを、一品の料理として提供することは
あまり無いと思われるのですが、ここでは登場してきました。
面白そうなので取り上げてみました。

このメニューは、前にパリに出かけた時に手に入れたガイドブック「Les Grandes Tables du Monde」 から
抜粋しています。当然、フランス語でしか書かれていませんので、日本語は僕が入れたものです。

L' Ermitage
住所: Route du Village 1134 Vufflens-Le-Chateau vaud Suisse
その当時の情報です。


上記レストランとメールマガジン作成者の Holly は直接関係を持ちません。


< メニューの用語解説 >

Risotto (リゾット)
日本語: リゾット
英 語:
伊 語: rizotte
解 説: イタリアンが日常に溶け込んでいる今では、リゾットもすっかりよく聞くメニューとなりました

イタリア語でお米を「リーゾ」と言うそうですが、リゾットは米を炒め、ブイヨンや水で煮る調理法を言います。
日本の炊飯とは、米を洗わないことが異なります。
イタリアンでは、一品の料理として、パスタやスープと同列に
「プリモピアット(一番目の料理)」とされるようですが、
フレンチにおいてはメインディッシュの付け合せとして登場するのを見かけます。

Grenouilles (グルヌイユ)
日本語: 蛙(かえる)
英 語: frog
解 説: 日本人には、ちょっと馴染みの少ない食材の一つ、「蛙」です。

蛙は魚料理として扱われます。
蛙は、発達した太腿だけが食材として扱われます。風味は鶏肉に似ています。
フランスのソローニュ地方のものが品質が良いとされています。


friole'es (フリヨレ)
日本語: 軽く揚げた
英 語:
解 説: バターで軽く揚げたことを意味する言葉ですが、最近ではほとんど使われていないそうです。

Truffes (トリュフ)
日本語: トリュフ
英 語: truffle
解 説: Caviar,Foie grasと伴にフランスの三大珍味の一つに数えられるトリュフは、セイヨウショウロ科のキノコです。

有名な物は、北アフリカからヨーロッパにかけて分布する夏トリュフ・白トリュフ・ペリゴールトリュフなど数種です。

2月から3月初旬が旬で、地中に発生するため、採取には訓練された雌豚や犬を利用します。
フランスでは黒トリュフ(ペリゴールトリュフ)を、イタリアでは白トリュフを好むところが面白いところですね。

タイトルフレンチメニュー用語解説 連載(34)
記事No6138
投稿日: 2004/11/20(Sat) 13:39
投稿者chun3(管理人)

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> > フレンチメニュー、ホテル職についてのすばらしいHP
> > ホテリエ 
> > http://www.hotelier-holly.com/
> の過去配信から、当該管理者許諾をえて、再掲いたします。
> なおこのモトURLは 移転・改装のため、過去ログ掲載はなくなりました
>
> ホテリエ・ライブラリは 2003/1月で移転
> http://www.library-h.com/

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「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説 Vol.34
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<<< 本日のメニュー >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


Pastille de Thon aux Abricots secs,
Vinaigrette compose'e
乾燥杏で風味付けしたドロップ状のマグロ、
フレンチドレッシングで




このメニューは、前にパリに出かけた時に手に入れたガイドブック「Les Grandes Tables du Monde」 から抜粋しています。
当然、フランス語でしか書かれていませんので、日本語は僕が入れたものです。


L' Ambroisie ランブロワジー
http://www.france-tourisme.net/p-restaurant-4e.htm#Ambroisie

このメールマガジンは個人的に作成しているもので、上記レストラン

メールマガジン作成者の Holly は直接関係を持ちません。
問合せ等は、直接お願いいたします。


< メニューの用語解説 >

Pastille (パスティーユ)
日本語: ドロップ
英 語: drop

解 説: Pastille は小型のボンボンやドロップを意味する言葉です。トローチや錠剤も意味しています。

Thon (トン)
日本語: 鮪(マグロ)
英 語: tuna
解 説: 「トロ」として寿司ネタの王様のように君臨しているのがマグロですが、大きく次の種類に分けられます。

◆ 黒マグロ thon rouge
◆ 南マグロ (インドマグロ)
◆ びんなが thon blanc
◆ めばち
◆ きはだ


味は、黒マグロ、南マグロが美味しいとされています。日本では
外観から「黒マグロ」と呼ばれていますが、フランスでは、身の
状態から thon rouge と呼ばれています。


黒マグロはホンマグロとも呼ばれ、日本近海で漁獲されるほか、
北西大西洋や、地中海・大西洋に分布しています。かなり大きな
魚で、体長は3m程にもなり、体重は350〜600kgにも及びます。

冬が旬となります。

蛇足ながら、日本近海で取れる生鮮ホンマグロは、寿司ネタ等
として人気が高く、価格が高沸しています。古い数字ですが、平
成2年2月、築地市場で最高値をつけたものは、一尾 860万円!
だそうです。マグロの中でも最も人気のある大トロは、内臓の周
りの身の部分で、約8%ほどしか取れない貴重な部位です。


まあ、フレンチの場合は、ここまで特定の部位に入れ込んでいる訳ではないようですが・・・

Abricots (アブリコ)
日本語: 杏(あんず)
英 語: apricot
解 説: バラ科の植物である杏は、ヨーロッパでは特にポピュラーな様
で、乾燥させたり、ジャムにしたり、なかなか利用範囲が広い果
物です。生食用としては、6〜7月のごく短い期間だけ市場に出
回ります。
バラ科の植物なので、プルーンや梅と同じ系統の植物です。

sec (セック)
日本語: 辛口の、乾燥した
英 語: dry
解 説: 乾燥した、という意味のほかに、ワインなどの辛口を意味する言葉です。

Vinaigrette (ビネグレット)
日本語: フレンチドレッシング
英 語: French Dressing
解 説: 正式には、sauce vinaigrette というべきでしょうが、フレンチ
ドレッシングを表す言葉です。


ご存知のとおり、フレンチドレッシングは、酢と油を1:3 の割合で
混ぜ合わせた酸味の強いソースで、主にサラダに利用される
ことが多いようです。マスタードを加えてみたり、酢を白ワイン
ビネガーや赤ワインビネガーに変えたりと、バリエーションが多く
存在します。分離し易いので、提供の際には注意が必要でしょう。

compose'e (コンポーゼ)
日本語: 取り合わせた
英 語:
解 説: 組み合わせた、合成した、といった意味の言葉です。
取り合わせのサラダ等、メニューにも度々登場しています。

タイトルRe: フレンチメニュー用語解説 連載(34)
記事No6158
投稿日: 2004/11/23(Tue) 00:42
投稿者chun3(管理人)

> ----------------------------------------------------------
> 「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説 Vol.34
> ----------------------------------------------------------
>
>
>
> < 本日のメニュー >
>
>
> Pastille de Thon aux Abricots secs,
> Vinaigrette compose'e
> 乾燥杏で風味付けしたドロップ状のマグロ、
> フレンチドレッシングで
>
>
> >
> < メニューの用語解説 >
>
> Pastille (パスティーユ)
> 日本語: ドロップ
> 英 語: drop
>
> 解 説: Pastille は小型のボンボンやドロップを意味する言葉です。トローチや錠剤も意味しています。




> > Pastille (パスティーユ)
> > 日本語: ドロップ
> > 英 語: drop
> > 解 説: 先週の紹介では Pastilla と紹介していましたが、これ
> > に該当しそうな言葉を見つけることが出来ず、恐らく誤植
> > であろうという結論に至りましたので、そのように変更し
> > てご案内させていただきます。
> > Pastille は小型のボンボンやドロップを意味する言葉
> > です。トローチや錠剤も意味しています。
>

--- (34)配信後の、当時の読者からのフォロー記事 ----

転載以下


> 早速ですが、今回の料理名の解釈について。
> これはもともとモロッコ料理の前菜であるパスティヤをさすのではないで
> しょうか。
> 本来はうずらの肉をパート・フィロ(たしかトウモロコシの粉が原材料…)
> という薄い春巻きの皮のようなもので何層にも包み、アーモンドと砂糖で
> 甘じょっぱい味付けにしてオーブンで焼いたものです。
> フランス料理店では、このパート・フィロで包んだ料理をパスティヤと称
> して中身は多種多様。
> 中にはカリカリに焼いた皮をローストした食材の上にのせただけのもので
> も、パスティヤと呼んでいるところもあります。

> 私の大好きな調理法の一つで、メニューの中にこれを見つけるとついオー
> ダーしてしまいます。
> フランスではけっしてめずらしいものではなく、ビストロから3つ星レス
> トランのメニューにもみることができます。


ご教授、ありがとうございました。確かに最近のフレンチではパート・フ
ィローを良く使っています。パートフィローはとうもろこしだけでなく、小
麦粉も加えるようで、パリパリとした食感が面白いところから、好まれて使
われているようです。料理の鉄人で坂井シェフが良く使っていたようですの
で、ご存知の方も多いでしょう。
パスティヤについては、お恥ずかしながら存じ上げませんでした。お陰さ
まで貴重な知識が身につきました。(holly氏発言)


転載ここまで

タイトル フレンチメニュー用語解説 連載(35)
記事No6157
投稿日: 2004/11/23(Tue) 00:39
投稿者chun3(管理人)

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> > フレンチメニュー、ホテル職についてのすばらしいHP
> > ホテリエ 
> > http://www.hotelier-holly.com/
> の過去配信から、当該管理者許諾をえて、再掲いたします。
> なおこのモトURLは 移転・改装のため、過去ログ掲載はなくなりました
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> ホテリエ・ライブラリは 2003/1月で移転
> http://www.library-h.com/

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「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説 Vol.35
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< 本日のメニュー >


Pied de Cochon De'lice de Petits Gris cuits en Cocotte,
Pure'e battue aux Brisures de Truffes
去勢豚の豚足と美味しい蝸牛のココット
細かなトリュフを加えたピューレと共に


◇◇ ここがポイント? ◇◇

pied de cpchon と petits gris を主な素材として、熱を加えて調理
した物をココット型に入れた、というのが最初の行の解釈です。熱の加
え方は文章からは不明ですが・・・
2行目は Brisures がトリュフの状態を示す言葉と解釈して、ピュー
レの説明的な文章だと思います。何のピューレかが不明ですし、このピ
ューレをどう使ったかももう一つはっきりしません。恐らくココットの
底に詰めてあったりするのかな、と思いつつ・・・



このメニューは、前にパリに出かけた時に手に入れたガイドブッ
ク「Les Grandes Tables du Monde」 から抜粋しています。当然、フラ
ンス語でしか書かれていませんので、日本語は僕が入れたものです。


L' Espadon レスパドン
http://www.france-tourisme.net/p-restaurant-1.htm
住所: 15, Place vendo^me - 75001 Paris
このメールマガジンは個人的に作成しているもので、上記レストラン
とメールマガジン作成者の Holly は直接関係を持ちません。従いま
して、問合せ等は、直接お願いいたします。





< メニューの用語解説 >


Pied (ピエ)
日本語: 足
英 語: foot
解 説: 食肉の部位で足の事を指す言葉です。具体的には足首より下を
指して言います。
「フランス人って足なんか食べるんだ」と思う向きもあるかも
しれませんが、「豚足」なら食べたことがある人も多いでしょう。
フランスでは豚の足のほかに、仔牛の足なども食すようです。

Cochon (コション)
日本語: 豚
英 語: pig
解 説: 豚、豚肉を表す言葉です。豚を表す言葉は porc をよく聞きま
すが、cochonは「食肉用の去勢豚」を指したり、地方料理や田舎
風の料理の際に豚肉を指す言葉として使われます。
因みに・・・
◆ porc 豚全般 (狭義では雄豚)
◆ verrat 雄豚
◆ truie 雌豚
◆ goret 仔豚
◆ porcelet 仔豚
◆ cochon de lait 乳呑み豚
◆ cochon 去勢された豚
のような使い分けがあります。

De'lice (デリス)
日本語: 喜び、歓喜、美味
英 語:
解 説: 喜びや美味を示す言葉で、メニュー中にもちょくちょく出てく
る言葉です。また、菓子やデザートの美味しさを強調する為に使
われることもあります。

Petit (プティ)
日本語: 小さな
英 語: small, little
解 説: 小さな、細かい、少しの、といった意味です。

Gris (グリ)
日本語: 灰色の、ねずみ色の
英 語: gray
解 説: 色を表す言葉です。

cuit (キュイ)
日本語: 調理した
英 語: cooked
解 説: 調理した、という意味の言葉です。この、「調理した」という
のは、「熱を加えて調理した」という意味合いです。
つまり、煮た、焼いた、茹でた、という調理法を指して言いま
す。

Cocotte (ココット)
日本語: ココット
英 語: stew-pan
解 説: ココットとは、「小さな器」のことで、白色の陶器製のもので
小型の深底の容器を言うことが多いようです。ガラス製の物もあ
ります。この容器に入れるような料理すべてを Cocotte と呼んでいま
す。また、スラングでは「愛人」のこと指すそうです。

pure'e (ピュレ)
日本語: ピューレ
英 語: puree
解 説: 野菜・肉などをつぶして漉したもの。漉し汁の事です。汁とは言
っても粘性が高く、どろどろとした状態なのが普通のようです。

battu (バテュ)
日本語: かき混ぜられた
英 語:
解 説: かき混ぜられた、或いは泡立てられた、という意味の言葉です。
料理上の表現のほかには、打たれた、敗北した、踏み固められた、
そんな意味もあります。

Brisures (ブリジュール)
日本語: 裂け目、割れ目
英 語:
解 説: 裂け目や割れ目を指す言葉です。
また、乾燥させたビスケットやクラッカーをすりおろし、篩に
かけたものも言います。

truffes (トリュフ)
日本語: トリュフ
英 語: truffle
解 説: Caviar,Foie grasと伴にフランスの三大珍味の一つに数えられ
るトリュフは、セイヨウショウロ科のキノコです。
有名な物は、北アフリカからヨーロッパにかけて分布する夏ト
リュフ・白トリュフ・ペリゴールトリュフなど数種です。
2月から3月初旬が旬で、地中に発生するため、採取には訓練
された雌豚や犬を利用します。
フランスでは黒トリュフ(ペリゴールトリュフ)を、イタリア
では白トリュフを好むところが面白いところですね。



< 熟語も解説 >


petit-gris (プティグリ)
日本語: 蝸牛(カタツムリ)
英 語: snail
解 説: 南フランスや中央フランス産の小さな食用のカタツムリです。エスカルゴの一種といえます。

タイトルフレンチメニュー用語解説 連載(36)
記事No6218
投稿日: 2004/12/02(Thu) 00:23
投稿者フラ語メニュー講座 編集担当
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>> フレンチメニュー、ホテル職についてのすばらしいHP
>> ホテリエ 
>> http://www.hotelier-holly.com/
> の過去配信から、当該管理者許諾をえて、再掲いたします。
> なおこのモトURLは 移転・改装のため、過去ログ掲載はなくなりました
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> ホテリエ・ライブラリは 2003/1月で移転
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「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説」Vol.36
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< 本日のメニュー >

Trois petits pots de Cre`me en De'gustation
Vanille Rose, Cafe' Ambrette, Chocolat Encens
三つの小さな容器入り お試し クリーム
バニラとバラの風味、コーヒーとアンブレットの風味、
チョコレートとお香の風味


◇◇ ここがポイント? ◇◇

Trois petits pots de Cre`me の中身を、二行目で記述しているものと
思われます。で、上記のような表現にしてみました。風味を表す言葉に、
あまり馴染みのないものが多くて、ちょっと分かりにくかったかもしれま
せん。
実際に三つ出てくると、うれしいだろうなぁ。



このメニューは、前にパリに出かけた時に手に入れたガイドブック
「Les Grandes Tables du Monde」 から抜粋しています。当然、フラ
ンス語でしか書かれていませんので、日本語は僕が入れたものです。


Le Grand Ve'four
http://www.france-tourisme.net/p-restaurant-1.htm

住所: 17, Rue de Beaujolais - 75001 Paris
備考: その当時の情報です。
このメールマガジンは個人的に作成しているもので、上記レストラン
とメールマガジン作成者の Holly は直接関係を持ちません。従いま
して、問合せ等は、直接お願いいたします。


< メニューの用語解説 >


Trois (トロワ)
日本語: 3
英 語: three
解 説: 数を表す言葉です。

petit (プティ)
日本語: 小さな
英 語: small, little
解 説: 小さな、細かい、少しの、といった意味です。

pot (ポー)
日本語: 壷、鍋
英 語: pot
解 説: 「ポット」と言うと、湯沸しのポットなんかを想像してしまい
ますが、フランス語のニュアンスは「小さな容器」と言う感じで
す。

Cre`me (クレーム)
日本語: クリーム
英 語: cream
解 説: クリーム。牛乳より乳脂肪分が高いものです。
    また、クリームを使って作る冷製のソースを言うこともあります。
    
De'gustation (デギュスタシオン)
日本語: 味見
英 語: tasting
解 説: 試食や、試飲、といった味見を表す言葉です。
レストランのメニューに「Menu De'gustation」 を見かけるこ
とがありますが、これは色々な料理を「試して」もらおうという
配慮から、一皿のポーションを少なくして、品数を多くしたもの
です。

Vanille (ヴァニーユ)
日本語: バニラ
英 語: vanilla
解 説: メキシコ原産の植物で、莢状の実(その中の種)を香料として用い
    ます。独特の甘い香りを持ち、特にお菓子の世界では重宝されてい
    ます。
    アイスクリームの風味付けとしては非常にポピュラーで、以前は
    人工的に合成されたものが多かったように思いますが、最近ではヴァ
    ニラビーンズの黒くて小さい粒がちゃんと見えるバニラアイスクリ
    ームが一般的になってきているようです

Rose (ローズ)
日本語: 薔薇(バラ)
英 語: rose
解 説: バラの花を表す言葉です。

Cafe' (カフェ)
日本語: エスプレッソコーヒー
英 語: espresso, cafe express
解 説: cafe' はCoffeeの訳が当てられることが多いのですが、ここで
    は敢えてespressoを当てました。
    フランスやイタリアでは、Cafe' はespressoの事を指します。
    また、喫茶店のことをCafe' とも言います。

Ambrette (アンブレット)
日本語: アンブレット
英 語: abelmosk
解 説: アンブレットは、麝香(ジャコウ)の香りがする植物で、洋梨の
一種だそうです。

Chocolat (ショコラ)
日本語: チョコレート
英 語: chocolate
解 説: チョコレートです。あまりにも身近なものなのですが、実はよ
く判らないものの一つかもしれません。
チョコレートとは、メキシコ(又は南米)原産のカカオ豆を原
料にしたもので、カカオ又はカカオマスに砂糖を加えて練ったも
の、場合によっては、カカオバター、牛乳、アーモンドが入るこ
ともあります。
では、カカオマスとは何かと言うと、カカオ樹から取れるカカ
オ豆をローストして殻を除き、細かく練り潰した際、カカオ豆の
中に含まれるカカオバター(カカオの脂肪分)が滲み出てペース
ト状になりますが、この状態のものがカカオマスです。
また、飲み物としての「チョコレート」もあります。これは、
チョコレートかカカオを水か牛乳で溶いたもので、日本ではココ
アの名前が一般的でしょう。

Encens (アンサン)
日本語: お香
英 語:
解 説: お香、だそうです・・・



< 熟語も解説 >

petits pots de cre`me (プティ ポー ド クレーム)
日本語: 小さなプリン
英 語:
解 説: 小さな容器に入れて作ったプリンです。プリンとは言っても、
クレームブリュレのようなイメージで、「食べるクリーム」とい
った趣のものです。


タイトルフレンチメニュー用語解説 連載(37)
記事No6225
投稿日: 2004/12/03(Fri) 22:04
投稿者フラ語メニュー講座 編集担当
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> なおこのモトURLは 移転・改装のため、過去ログ掲載はなくなりました
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「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説」 Vol.37
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< パンについて2 >


前回の「パンについて」は、Pain traditionnel (パン トラディッショ
ネル) 、いわゆる「フランスパン」のジャンルの紹介でした。


Pain de Campagne (パン ド カンパーニュ)

直訳すると「田舎風パン」の名前のとおり、その昔家ごとに自家製の酵母で
大きなパンを1週間分焼いていたのがルーツだと言われています。
昔は、そんな田舎の一般家庭では、上質な白い小麦をつかえなかったので、
黒っぽい粉でパンを作っていたのに倣って、今ではライ麦を混ぜて焼くのが、
パン ド カンパーニュのお約束になっています。
また、ライ麦はグルテンを作らないため、軽く膨らまないと言う特徴があり、
空気の入らない目が詰まったボソボソとした食感のパンになります。ライ麦が
主体となるパンは、ライ麦の比率によって呼び方も変わります。

◆ ライ麦65% 小麦45% Pain de seigle
◆ ライ麦65%以下 pain au seigle


Brioche (ブリオッシュ)

ブリオッシュは、卵とバターをたっぷりと使って作る、しっとりとした食感
のパンです。ドライフルーツを入れたりするなどのアレンジが多いのも特徴で
す。
実は、ブリオッシュは生地のことでもあります。ソーセージやフォアグラを
ブリオッシュ生地で包んで焼き上げるような料理もあります。尊敬する料理人
の一人であるハウステンボスの上柿元総料理長の著書「フランス料理のスピリ
ッツ」に「Truffe Entie`re en Brioche」 つまり「フレッシュ・トリュフの
ブリオッシュ包み焼き」なんて垂涎物の料理が紹介されています・・・


Croissant (クロワッサン)

「クロワッサンとカフェ・オ・レがフランス人の朝食」何て言われますが、
いわゆるコンチネンタルの人々の朝食は似たり寄ったりで、イタリア人なんか
もパンとカプチーノ位で済ませる人が多いとか。あちらでは、カプチーノは朝
飲み物だそうで、昼過ぎにオーダーするのは子どもみたいに思われるとか。
そんなわけで、American breakfast よりは Continental breakfast の方が
軽いんだそうです。
話が横道にそれてしまいましたが、フイユタージュか発酵記事を三角形に伸
ばし、巻いてから三日月の形に整え、焼き上げたパンです。三日月の形が一般
的ですが、これは必須ではありません。この形はトルコ軍の旗印をかたどった
ものだとか・・・何かいわれがあったはずですが、生憎と資料が見当たりませ
んでした。(T_T)

タイトル フレンチメニュー用語解説 連載(38)
記事No6266
投稿日: 2004/12/07(Tue) 23:54
投稿者フラ語メニュー講座 編集担当
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「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説」 Vol.38
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< 本日のメニュー >


Presse' de concombre et de homard, oeuf de saumon et caviar
胡瓜とオマール海老のプレッセ いくらとキャビアを添えて


ちょっと面白いメニューが手に入りましたので、しばらくご紹介させて頂こ
うと思っています。
上記のメニューは、以前、リゾートホテルの雄、ハウステンボスホテルズの
「ホテルヨーロッパ」で行われた食文化の発信イベント「第6回 華麗なる食
の饗宴」のメニューです。
このイベントは、ハウステンボスホテルズの総料理長、上柿元勝氏と、国内
外の著名な料理人を招いて、一つのメニューを作り上げると言うものです。
残念ながら、僕自身はこのメニューを食べるどころか、見ることも出来なか
ったのですが、幸いにもメニューが手に入りましたので、ご紹介させて頂くこ
とにしました。

因みに、今回上柿元氏と共演なさったのは「フレンチの鉄人」こと坂井宏行
シェフでした。
そして、上記のメニューは坂井シェフの手によるものです。


ホテルヨーロッパ
住所: 長崎県佐世保市ハウステンボス町7-7

※ このメールマガジンは個人的に作成しているもので、上記ホテルと
メールマガジン作成者の Holly は直接関係を持ちません。従いまし
て、問合せ等は、直接お電話にてお願いいたします。


< メニューの用語解説 >


Presse' (プレッセ)
日本語: 押しつぶす
英 語: press, squeeze
解 説: 押す、圧搾する、圧迫する、といった意味です。
また、 citron presse' 等と表現することで、レモンジュース、
つまり「搾る」という意味にも使える言葉です。

concombre (コンコンブル)
日本語: 胡瓜(きゅうり)
英 語: cucumber
解 説: 胡瓜はウリ科のつる性一年生草木だそうで、インド、ヒマラヤの
南山麓地方が原産地とされています。
胡瓜の語源は、中国の西にある「胡」から伝わった「瓜」という
ことで「こうり」と読んでいたのが変化し、「きゅうり」と呼ぶ説
が強いようです。
その他に、熟すと黄色くなるので「きうり」とする説等がありま
す。
胡瓜は代表的な夏野菜ですが、今では一年中出回っています。品
種は白いぼ系と言われる華北系の品種が主力で、市場に出回ってい
るものの内、90%が該当します。その他、黒いぼ系といわれる華南
形品種、丈が短いシベリア系品種に分けられます。
因みに、 concombre de mer で なまこ だそうです。この感覚は
なんとなく分かりますね。

homard (オマール)
日本語: オマール海老
英 語: lobster
解 説: オマール海老は、ホンエビ上目ザリガニ科の海老で、カナダ・ア
メリカ産のものとヨーロッパ産のものに分けられます。漁獲高はカ
ナダ産のものが多く、日本に輸入されているもののほとんどはカナ
ダ・アメリカ産のものになります。
品質的にはヨーロッパ産のものが優れているといわれています。
フランス人は、特にブルターニュ産のオマール海老を最上とします。
また、ヨーロッパ産のものは体色が濃青色で緑色を帯びた斑点があ
りますが、カナダ・アメリカなどの北米産のものは茶色っぽいよう
です。
なお、オマール海老は左右で大きさの違う鋏を持っていますが、
えさを食べる為によく運動しているこの鋏の部分が最も美味である
と言われています。オマール海老を食べるときは、鋏を忘れないよ
うにしましょう。

オマール海老は、海老類の中では最も大きくなるもので、普通は
20〜25cm位ですが、まれに50cmを超えるものもあります。
海老や蟹等の甲殻類の殻からは、良質の出汁が取れますが、オマ
ール海老もソース・アメリケーヌなどに多用されます。

Oeufs (ウフ)
日本語: 卵
英 語: eggs
解 説: 世界中でほとんど毎日食べられているといっても過言ではない
のが卵ですが、主に鶏の卵を指しています。
卵には、熱を加えることで固まったり(凝固性)つなぎの役割
をしたり(結着性)、卵白は滑らかな泡立つ起泡性を持ち、卵黄
は乳化性といった性質があります。こういった性質を利用して、
各種の料理やお菓子、パンなどが作られています。
卵は、殻の色が白色のものと褐色のものがありますが、これは
鶏の品種の違いが原因で、栄養的にも味覚的にも、差はないとい
われています。ただし、見た目には褐色のもの(赤玉と言われま
す)が栄養価が高いように見えるため、市場価格はやや高めのよ
うです。

Saumon (ソーモン)
日本語: 鮭、サーモン
英 語: salmon
解 説: サケ科の魚で、シロザケ・ベニザケ・鱒之介などの種類があり
ます。日本では、鮭というと一般にはシロザケをさすようです。
ノルウェー産のものは、大西洋鮭(saumon de l'Atlantique)と
いわれるもので、海中養殖が盛んに行われているそうです。
鮭と鱒は、実は明確な区別がないそうです。川で生まれて海に
降りる降海型をサケ、淡水で一生を過ごす陸封型をマスとする事
が多いと言われています。
鮭は、古代から知られる食材で、紀元前50年にフランスのゴー
ルに遠征していたジュリアスシーザーが、遡上中の鮭を見て、「
飛び跳ねる」という意味で「サーモン」と名付けたようです。日
本においても、奈良時代の初めには、税の一種として収められて
いた記録があります。
ノルウェー産のものは「サーモン」、日本のものは「鮭」と呼
び分けているような気もします。


Caviar (キャビア)
日本語: キャビア
英 語: caviare
解 説: フランス料理の中でも代表的な高級食材であるキャビアは、蝶
鮫(Esturgeon) の卵を塩漬けにしたものです。蝶鮫は、サメ科で
はなく、チョウザメ科の魚で、外見がサメ型なのでこの名前が付
いているそうです。
主な産地はカスピ海で、特にロシアとイランで加工されるもの
が良質であるとされています。しばらく前から、周囲の環境破壊
によりチョウザメの生息地が減少しており、今ではベルーガは非
常に手に入り難くなっています。
需要は高く、入手しにくい為、今後も価格が上がっていく事が
予想されています。

キャビアは、蝶鮫の種類によって、次の三種類があります。
Beluga = 最も高価。大粒で鈍い透明さを持つ灰色
Ossetra = 小粒で金色が買った黄色
Sevruga = 他に比べると安い。小粒で灰色
また、どの卵の種類でも マロッソル、ケッグ、プレス の3種
類に大別されます。マロッソルは塩分を3〜4%に抑えた最高級
品です。日本ではあまり見られません。ケッグは塩分含有量が6
〜8%で主に樽詰にされています。プレスは卵を圧縮したもので、
徳用品の扱いになります。
キャビアの最高の美味しさは、生キャビアにあるといわれてい
ますが、厳密な温度管理が必要で、やはり日本ではほとんど見る
ことができません。
そのままオードブルとして食べられる他、その塩味を活かして
料理の中に組み入れたりもしています。
キャビアは非常に高価な為、代替品として、デンマーク産のラ
ンプフィッシュの卵も出回っています。


< 熟語も解説 >


oeuf de saumon (ウフ ド ソーモン)
日本語: イクラ
英 語:
解 説: 鮭の卵の塩漬けとして有名なイクラですが、実はロシア語では
「魚卵」を意味する言葉です。
イクラとよく混同するものに、 すじこ がありますが、イラク
が鮭の卵巣から卵を一粒ずつ分けてから塩漬けするのに対して、
すじこは未成熟の卵巣膜をつけたまま塩漬けにしたものです。


 


 

タイトルフレンチメニュー用語解説 連載(39)
記事No6329
投稿日: 2004/12/13(Mon) 20:07
投稿者フラ語メニュー講座 編集担当
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> > http://www.hotelier-holly.com/
> の過去配信から、当該管理者許諾をえて、再掲いたします。
> なおこのモトURLは 移転・改装のため、過去ログ掲載はなくなりました
>
> ホテリエ・ライブラリは 2003/1月で移転
> http://www.library-h.com/

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「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説」 Vol.39
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< 本日のメニュー >

Cre`me de champignons et oreille de mer
petite quenelle de gonaji de Nagasaki aux MATSUTAKE
地元産アワビ、 ゴンアジのクネル入り秋きのこのクリームスープ 松茸の香り


ちょっと面白いメニューが手に入りましたので、しばらくご紹介させて頂こ
うと思っています。
上記のメニューは、以前、リゾートホテルの雄、ハウステンボスホテルズの
「ホテルヨーロッパ」で行われた食文化の発信イベント「第6回 華麗なる食
の饗宴」のメニューです。
このイベントは、ハウステンボスホテルズの総料理長、上柿元勝氏と、国内
外の著名な料理人を招いて、一つのメニューを作り上げると言うものです。
残念ながら、僕自身はこのメニューを食べるどころか、見ることも出来なか
ったのですが、幸いにもメニューが手に入りましたので、ご紹介させて頂くこ
とにしました。

因みに、今回上柿元氏と共演なさったのは「フレンチの鉄人」こと坂井宏行
シェフでした。
そして、上記のメニューは上柿元シェフの手によるものです。


ホテルヨーロッパ
住所: 長崎県佐世保市ハウステンボス町7-7


※ このメールマガジンは個人的に作成しているもので、上記ホテルと
メールマガジン作成者の Holly は直接関係を持ちません。従いまし
て、問合せ等は、直接お電話にてお願いいたします。



< メニューの用語解説 >

Cre`me (クレーム)
日本語: クリーム
英 語: cream
解 説: クリーム。牛乳より乳脂肪分が高いものです。
また、クリームを使って作る冷製のソースを言うこともあります。
生クリーム、また、生クリームを繋ぎに使ったスープ
のことも指しています。

champignons (シャンピニオン)
日本語: 茸(きのこ)
英 語: mushroom
解 説: 茸の総称が champignons です。また、狭い意味ではマッシュ
ルームを指しています。
メニュー上で champignons を見かけた場合、色々な茸を取り
合わせて使ってあることが多いようです。因みに、マッシュルー
ムを厳密に言うには、以下の表現があります。
◇ champignon de couche
◇ champignon de paris
マッシュルームは栽培量が世界で最も多い茸で、 300年程前に
パリ近郊で栽培が始まりました。 (それで上記の呼び方になりま
す) ハラタケ科に属する茸で、ホワイト種とブラウン種がありま
すが、一般にはホワイト種をさしてマッシュルームと呼んでいま
す。

oreille (オレイユ)
日本語: 耳
英 語: ear
解 説: 耳、のことです。

mer (メール)
日本語: 海
英 語: sea
解 説: 海、です。
この言葉と組み合わせて、色々な表現が広がります。
◇ oreille de mer 鮑 (あわび)
◇ concombre de mer 海鼠 (なまこ)
◇ fruits de mer 魚介類 (貝は含まない)
もちろん、上記は一例です。

petit (プティ)
日本語: 小さな
英 語: small, little
解 説: 小さな、細かい、少しの、といった意味です。

Quenelles (クネル)
日本語: クネル
英 語: meat ball
解 説: 素材をすり身状にして、半片のように固めた物をクネルといい
ます。古い本では「西洋半片」と紹介されていたりします。
古くは、肉や肝臓などで作られていましたが、現在では魚も使
われています。
半片と言うと、なにやら硬い食感のものを想像してしまいます
が、実際には非常に滑らかな食感に仕上がっています。すり身状
にした素材にクリームや卵白を加えることで、滑らかな食感を可
能としています。その生地を、キュイエールできれいなラグビー
ボール状に丸め、ゆっくりと静かに茹でます。
茹でる際には、水だけでなく、fummet de poisson といった魚
の出し汁なども使われます。

gonaji (ごんあじ)
日本語: ごんあじ
英 語:
解 説: 鯵(あじ)の中でも、長崎県の長崎本土と五島列島の間の海にす
む鯵を五島の「ご」と黄金の「ごん」をかけて「ごんあじ」とし
て特産品として売りに出しているそうです。
その名前のとおり、腹部から尾にかけて黄金色の輝きを持って
います。
やはり地元の新鮮な食材は、どのシェフも皆さん注目している
んでしょうね。

MATSUTAKE (まつたけ)
日本語: 松茸(まつたけ)
英 語:
解 説: 日本の茸の代表格、また、秋の味覚の王様、ともいえるのがこ
の「松茸」です。
松茸は「香り松茸」といわれるほど、その芳醇な香りが魅力的
な茸です。生きた松の木の根に生える為、国内では取れるところ
が極端に少なく、希少価値がとても高くなっています。その分、
輸入品が出回ってきています。代表的なところでは中国産、韓国
産、モロッコ産、カナダ産などです。国産のものに比べて、外国
産のものは香りが数段落ちるようです。比較的、中国産、韓国産
のものが国産に近いと評価を受けています。
さて、これだけ人気のある松茸ですが、日本原産のシメジ科の
茸です。赤松や黒松の林の中で繁殖します。また、松茸の匂いの
成分は、「マツタケオール」というそのマンマの名前です。
国産松茸の希少価値を示す数字としては、「昨99年の国内の全
松茸消費量 2821tのうち、国産はわずか147t、約5%にすぎない
(日椎連調べ)。」というものがあります。(プレジデント社
dancyu 2000/11より引用させて頂きました)
ここまで日本人に愛されている松茸を、フレンチのシェフたち
が見過ごすわけも無く、メニューにその文字を見ることも増えて
きたように思います。パートフィローなんかで包んで、香りを逃
がさないようにしてある付け合せ、なんて姿を見たことがありま
すが、なかなかの物でした。


< 熟語も解説 >

oreille de mer (オレイユ ド メール)
日本語: 鮑(あわび)
英 語: abalone , sea-ear
解 説: 直訳すると「海の耳」これが鮑です。このネーミングのセンス
は、英語でも同じです。じつは、日本も同じなんですね。
鮑は腹足類ミミガイ科の貝で、形は平らですが、実は巻貝の仲
間です。夏が旬になります。
種類としては、表面が黒っぽい「黒あわび」、他より平べった
い殻を持つ「めがいあわび」、殻にあいている呼吸用の穴が高く
盛り上がっている「まだかあわび」があり、刺身には肉質が締ま
っている黒あわび、熱を加えるには身に収縮が少ないまだかあわ
びが向くとされています。

タイトルフレンチメニュー用語解説 連載(40)
記事No6366
投稿日: 2004/12/15(Wed) 20:33
投稿者フラ語メニュー講座 編集担当
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「ギャルソンの部屋 : フレンチのメニュー用語解説」 Vol.40
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< 本日のメニュー >


Noix de Saint-Jacques pane'es aux herbes a` la Provenc,ale
帆立貝に香草をまぶして初秋の野菜とパスタを風味豊かに


先日よりちょっと面白いメニューが手に入りましたので、しばらくご紹介さ
せて頂こうと思っています。
上記のメニューは、以前、リゾートホテルの雄、ハウステンボスホテルズの
「ホテルヨーロッパ」で行われた食文化の発信イベント「第6回 華麗なる食
の饗宴」のメニューです。
このイベントは、ハウステンボスホテルズの総料理長、上柿元勝氏と、国内
外の著名な料理人を招いて、一つのメニューを作り上げると言うものです。
残念ながら、僕自身はこのメニューを食べるどころか、見ることも出来なか
ったのですが、幸いにもメニューが手に入りましたので、ご紹介させて頂くこ
とにしました。

因みに、今回上柿元氏と共演なさったのは「フレンチの鉄人」こと坂井宏行
シェフでした。
そして、上記のメニューは坂井シェフの手によるものです。


ホテルヨーロッパ
住所: 長崎県佐世保市ハウステンボス町7-7

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て、問合せ等は、直接お電話にてお願いいたします。


< メニューの用語解説 >


Noix (ノワ)
日本語: 胡桃(くるみ)
英 語: walnut
解 説: ナッツと分類される胡桃は、クルミ科クルミ属の植物です。
ところでナッツとは、果物に分類されるそうです。
北半球を中心に世界中で親しまれていて、中でもペルシアグル
ミという品種が普及しています。
胡桃を覆う堅くて厚い皮は貯蔵性を高めており、冷たく乾燥し
た場所では、1年以上経っても変質しないそうです。また、胡桃
の木材は高級家具の材料としても知られています。
さて、このNoixの言葉は、他にも色々な意味を持っています。
中心という意味もあって Noix de Saint Jacques のように表現
したりもします。胡桃大の塊を指すこともありますし、仔牛の内
股の肉も意味しています。

Saint (サン)
日本語: 聖
英 語: saint
解 説: 聖なる、という意味や、聖人の名前の前につける言葉です。
さすがヨーロッパ、キリスト教の影響を強く受けていて、聖人
の名前が食材の名前としても使われています。また、同じような
理由から、地名にも良く見られる言葉です。
Saint のつく食材
◇ Saint-Germain エンドウ豆(を用いた料理)
◇ Saint-Jacques 帆立貝
◇ Saint-pierre マトウ鯛

Jacques (ジャック)
日本語: ジャック、ヤコブ(人名)
英 語:
解 説: Saint-Jacques で聖ヤコブのことです。聖ヤコブはキリスト教
の12使徒の一人です。
また、coupe Jacques で「カップ盛りアイスクリーム ジャッ
ク風」というデザートになります。これは、カップに盛った様々
なシャーベットに、キルッシュかマラスキーノに漬けた果物を加
えたものです。

pane'es (パネ)
日本語: パン粉をつけた
英 語: cover with bread crumbs
解 説: フライにしたり、ソテーやグリエにする前にパン粉をまぶす料
理法です。大きく次の二つの方法があります。
イギリス風 − オイル、水、塩、胡椒入りの溶き卵に浸けてか
らパン粉をつける。
ミラノ風 − すりおろしたチーズを混ぜたパン粉をつける。
この他、バターを塗ってからパン粉をまぶす方法もあります。

herbes (エルブ)
日本語: 香草、ハーブ
英 語: herb
解 説: 香草です。フレンチやイタリアンに限らず、料理の風味付けに
欠かせないのがハーブです。
今は、ハーブティーをはじめとして「ハーブ」という言葉が一
般的になっていますが、フレンチの世界ではそれ以前から料理に
使っていたため、「香草」という言葉を使ってきました。その為
か、今でもメニューには「香草」という言葉を見ることがほとん
どです。

Provenc,ale (プロヴァンサル)
日本語: プロヴァンスの
英 語:
解 説: フランスの南東部、プロヴァンス地方の者を表す言葉です。
プロヴァンス地方は、フランスの中でも太陽の恵みを感じさせ
る地方です。





< 熟語も解説 >


Noix de Saint-Jacques (ノワ ド サンジャック)
日本語: 帆立貝の貝柱
英 語:
解 説: 直訳すると「帆立貝の真中」ですが、イメージし易い言葉のと
おり貝柱の部分を指す言葉です。

a` la Provenc,ale (ア ラ プロヴァンサル)
日本語: プロヴァンス風
英 語: Provence style
解 説: a` la は、付け合せや風味付けなど、料理のスタイルを表す言
葉と言えますので、a` la Provenc,ale で プロヴァンス風 とな
ります。
この場合のお約束は、トマト、大蒜、オリーブ油を使うことで
す。また、ハーブ類が加わることが多いようです。
これは、フランスでも南部の地中海に面したプロヴァンス地方
は、太陽の恵みの多い地方、つまりオリーブやハーブの特産地に
当たることからイメージされたものです。