塔の下部や西正面には、四角く整えられた切石ではなく、スレートのような薄い石が使われている。上質の石が足りず、こういう粗末な石も使ったらしいが、味があるし、力強さが感じられる。
入場料は3euro。入場料を払うと、日本語のプリントと、クリアフォルダに挟んだ、英語で書かれた解説文を渡され、後者は後で返すように言われた。日本語のプリントは、解説ではなく、誰かの随想の一節をコピーしたものだった。
教会堂のトリビューン(高壇)を一目見て、圧倒される。 大理石の色の美しさと、なんともいえない質感に言葉を失う。彫刻や紋様も多様で美しく、構図も洗練されている。柱頭の形状や、石の四隅を有効に活用した、ロマネスク彫刻らしい力強さもある。彫り込まれた動植物の量感もどっしりとしており、すごみがある。
オリエント起源の紋様もあるのだろう、ルーヴル美術館で見た、オリエントの彫刻が想い起された。パルメット(棕櫚・しゅろ)紋様や花弁紋様の美しさに、心を奪われた。
教会堂の祭室には目立つ彫刻や装飾もなく、実にシンプルだ。開口部が小さい窓や、どっしりとした石の質感が求心的だった。信者ではないけれど、邪念が消え、心が一点に向かって集約されていくようだった。
ギャラリー(柱廊)の柱頭にも、高度な構図で、多様な紋様が彫り込まれており、圧巻だった。
外へ出ると、すでに日がとっぷりと暮れていた。
(2003年12月/2004年1月 arco de medio punto様)
車を降りたときは二人とも吐きそうで、60ユーロという料金にもびっくり。18時に迎えにきてもらうように頼む。
セラボヌは、小さな教会堂の中に大理石で作ったトリビューンがあって、きれいな彫刻がみられる。
彫刻をみながらのんびりして、ようやく気分が落ち着いた頃、またお迎えが来て、憂鬱なドライブでプラドに帰った。帰りは42ユーロ。
(2007年9月 カンタベリー大司教 様)